パニック障害、悩み続けて30年!

初めて知った病名、パニック障害

私の場合、症状が出ると10分から40分続きます。それが過ぎてしまうと、またもとにもどるわけですが、そのあいだは地獄のような苦しみです。しかも、病気に対する苦しみと同時に、まわりの人に迷惑をかけている、という感覚も強くあり、それがよけいに心理的な不安をつのらせてしまいます。でも、ひとりでいたときとちがい、症状が出たときに、理解者である妻がそばにいてくれるとほんとうに助かったものです。
私は内科、神経科、精神科、心療内科と、神経系の病院すべてに通いました。でも、どこで調べてもらっても異常は見つからず、薬をどれだけ飲んでも治りませんでした。その結果、薬では治らないのだ、とわかりました。患者にとって薬とは、飲んでいるからだいじょうぶ、という安心感程度の効果しかないのです。
そんなある日、私は新聞の記事で『パニック障害』という病名を目にしました。それを読んだとき、いままでよりも自分の症状に合っていたので、もしかして自分はこれではないか、と思いました。
そして、さっそくそこに書いてあった、パニック障害専門のクリニックに連絡をとって、受診してみたのです。そこで、私にもめでたく『パニック障害』という病名がつけられることになりました。初めて発症してから、この正確な病名がわかるまで10年以上かかっていました。
病名がはっきりしたとはいえ、外に出られたり、出られなかったり、というような不安定な時期はずっと続きました。それでも、なんとかしなければと、車に乗れないときには電車で行ったり、電車でも急行がダメなときは各駅停車で行ったりしました。いま思えば、当時は少しがんばりすぎていたようにも思います。ムリならムリでやらないほうがいい場合もあります。もっとラクにやっていればよかった、と反省しています。