パニック障害、悩み続けて30年!

数ヶ月間、家から1歩も出られない状態に

インターネットのなかった時代なので、『自律神経失調症』について、一体どういう病気なのか、図書館で調べてみました。すると、本にはありとあらゆる症状が載っていて、たしかに自分の症状に似ていました。それにしても、まさか、自分が自律神経失調症、鬱病なんて。そんなことはない、と否定する自分がいました。医師に処方された薬を飲みましたが、その後、いっこうに症状はよくなりませんでした。
なにかをやろうとしても、またあのようなことが起きたらどうしよう、という不安がつのります。今度発症したら、そのまま死んでしまうのではないか、とも考えました。すると、すっかり気力がなくなってしまい、友達づきあいもことわり、家に閉じこもるようになりました。家から1歩も出られなくなってしまったのです。 ちょうどファミコンが出てきた時代でした。部屋に閉じこもってゲームをやりましたが、よけいに具合が悪くなるばかりです。そうなると、家族にも変わったヤツだと見られようになりました。
そのころ、私にとっては幸運だったのは、自宅で家業を手伝っていたことです。出勤するといっても自分の部屋から仕事場へという距離だったので、調子が悪いときは仕事を休めました。とはいえ、製造業なので納品はあります。発症への不安から車にも電車にも乗れません。家族がしびれを切らして「どうしても行け」ときびしく言うこともありましたが、そう言われるとよけいに具合が悪くなってしまうのです。 まわりの人たちは「気のせいだろう」と言いました。自分がこんなに調子が悪いのにわかってもらえないという苦しみもあって、一時期は食事も食べられず、8キロほどもやせ、体重は48キロまで下がりました。